長田神社の歴史と赤えい絵馬に込められた祈り

創祀1800年以上の歴史を誇り、恵比須さまを祀る古社として親しまれてきた長田神社。凛と澄んだご神気が満ちる境内には、赤えい絵馬にまつわる病気平癒の信仰や、室町時代から続く「古式追儺式」など、数々の伝統と物語が息づいている。本記事では、桜井識子さんが語る長田神社の魅力や参拝のポイント、七福神めぐりとの関わり、そして震災を乗り越えてきた社殿の歴史まで、神社を深く味わうための情報をご紹介します。
長田神社参拝のポイント
霊能者の祖母と審神者の祖父を持ち、ご自身も神仏の声を直接聞くことができる桜井識子さんが、著書やブログで紹介されている長田神社を参拝する際のポイントをまとめました。
凛とした空気が満ちる境内
境内は凛とした雰囲気で、格の高いご神気が流れています。朱色の社殿から放たれるオーラがどこか異国チックで、大昔の交易を思わせる神社です。
桜井識子さん著書『七福神めぐりのすごいひみつ』より
神戸七福神めぐりと長田神社の恵比須さま
神戸には七福神を祀る七つの寺社を巡る「神戸七福神めぐり」があり、各寺社で七福神の御朱印がいただけます。専用の御朱印帳(赤・青)や色紙、福札も用意されています。
長田神社のご祭神である事代主神は、出雲の大国主神(おおくにぬしのかみ)を父にもつ神様。「恵美主さま」や「福の神」としても有名なことから、長田神社では七福神の恵比須神を祀られています。
七福神の願掛けは蛭子社と本殿でしました。というのは、この神社のことがわからなかったからです。なぜか、まったく、全然、サッパリわかりませんでした。
桜井識子さん著書『七福神めぐりのすごいひみつ』より
長田神社へのアクセスについて
| 所在地 | 〒653-0812 神戸市長田区長田町3丁目1番1号 |
|---|---|
| 交通アクセス | 【公共交通】 ◼︎神戸市営地下鉄 長田(長田神社前)駅または阪急・阪神・山陽 高速長田駅下車 長田神社前商店街を北上し徒歩5分 ◼︎JR 新長田駅にて市営地下鉄に乗り換え長田(長田神社前)駅下車 ◼︎バス 市バス3系統・4系統(JR神戸・兵庫駅)・17系統(JR新長田駅)、それぞれ長田神社前下車すぐ 【車】無料駐車場有り(約20台) 阪神高速3号神戸線柳原ランプまたは湊川ランプより2.5km 阪神高速31号神戸山手線神戸長田ランプより0.6km |
| 参拝時間 | 9:00〜16:00 |
| 問い合わせ先 | 078-691-0333 |
| 公式ホームページ | https://nagatajinja.jp/ |
長田神社の見どころ
境内に現れた赤えいが生んだ信仰の物語
長田神社の楠宮稲荷社では、赤えいを神の化身として祀り、明治時代から「赤えい絵馬」やお守りによる病気平癒、特に痔の治癒祈願が盛んに行われています。

赤えい絵馬の起源
- 明治25年頃、茶店を営んでいた谷本もんが赤えいの絵馬を作ったのが始まり。
- 茶店消失後は神社が授与を継承。
赤えい信仰の理由
- 6世紀頃、増水した川から赤えいが境内に入り、御神木の樟で姿を消したと伝わる。
- 以来、樟は赤えいが宿る御神木として崇敬される。
ご利益と祈願方法
- 絵馬に年齢・干支・性別を書き、御神木周囲に掛けて祈願。
- 病気全般に効くとされ、特に「痔の神様」として有名。
- 名前は書かないのが一般的。
- 赤えいの「懐守り」も人気。
赤えいと願掛けの関係
- 昔は赤えいが安価な日常食で、これを断つことが願掛けに。
- 腫物・痔に効くという評判が広まり信仰が定着。
再建と震災を乗り越えた社殿

現在の社殿は、昭和3年に再建されたものです。もともとは寛文元年(1661年)に建立されましたが、大正13年に漏電によって焼失してしまいました。
この社殿は昭和期を代表する神社建築で、本殿や拝殿には漆下地の丹塗や極彩色が施され、屋根は銅板葺きとなっています。神戸市内では、戦災を免れた唯一の大規模な社殿としても知られています。
昭和36年から38年にかけては大規模な修復が行われ、社務所や儀式殿が新たに整備されました。昭和55年には再建50年を記念して、屋根の葺き替えや塗り直しが施され、参集殿・宝物庫・茶室なども整えられました。
しかし、平成7年の阪神淡路大震災では社殿が大きな被害を受け、多くの鳥居や灯籠が倒壊しました。
その後、氏子や崇敬者の温かな支援により、3年かけて復旧工事が進められ、平成12年に完了しました。震災直後には参集殿が避難所として開放され、約150人が1ヶ月ほど生活するなど、地域への支援にも大きく貢献しました。
室町時代から続く伝統神事「古式追儺式」とユニークな「眼鏡感謝祭」

長田神社では毎年2月3日の節分に、神々の使いである鬼が舞う「長田神社古式追儺式」を開催。無病息災や家内安全を願う室町時代から続く神事で、県指定重要無形民俗文化財にも指定されています。
そのほか、先まで見通すことができる御祭神の事代主神にちなんで、10月1日の「メガネの日」には「眼鏡感謝祭」が催され、眼鏡の供養をする行事もあります。
《長田神社にゆかりのある桜井識子さんのブログ》
- 【KOBE(神戸)七福神めぐり ~兵庫県~】https://ameblo.jp/holypurewhite/entry-12878352849.html
長田神社の凛と澄んだ境内の空気や、格の高いご神気に触れたときの感覚が、桜井さんらしい素直な表現で描かれています。出雲社と蛭子社を前にした静かな時間、そして蛭子社と本殿での願掛けの様子からは、参拝のひとつひとつを丁寧に味わう姿勢が伝わってきます。また、恵比須さんと大黒さんの石像に触れた場面には、神様たちへの親しみと敬意が同居していて、自然と微笑んでしまいます。
神社の空気感をそのまま持ち帰ってきたような、穏やかで心がほぐれる参拝記になっています。
《長田神社について語られている桜井識子さんの著書》
- 七福神めぐりのすごいひみつ
古代・神功皇后の時代に創建されたと伝わる長田神社。その境内には、どこか異国の風を思わせる空気と、長い歴史が育んだ神気が静かに満ちている。本書では、出雲社や「KOBE七福神」の一柱として知られる蛭子社など、境内に点在する社の由来や魅力を丁寧にたどりながら、桜井さんが体験した長田神社での参拝の様子が描かれています。






