念仏寺(寿老人)と有馬温泉—太閤秀吉ゆかりの地

念仏寺は太閤秀吉の正室(ねね)の別邸跡に建つ有馬最古の浄土宗寺院で、庭には樹齢300年以上の沙羅双樹がある「沙羅樹園」が広がります。阿弥陀如来を本尊とし、神戸七福神の寿老人像が祀られています。日本最古の温泉地・有馬温泉の長い歴史と深く結びついた寺院といえます。
念仏寺の歴史的背景
- 御本尊は阿弥陀如来。
- 所在地は日本最古の温泉とされる有馬温泉(神戸近郊)。
- 有馬温泉の歴史は神代に遡り、大己貴命と少彦名命が傷ついた烏を癒した泉が起源と伝えられる。
- 『日本書紀』には舒明天皇(631年)、孝徳天皇(674年)が訪れた記録があり、古代から皇族に親しまれた地。
- 奈良時代には行基菩薩が温泉寺を建立し、鎌倉時代には仁西上人が十二の宿坊を建て、有馬温泉の基盤を整えた。
- 安土桃山時代には豊臣秀吉が湯治のため幾度も訪れ、衰退した有馬を改修し、湯山御殿を築いた。
- 江戸時代には「有馬千軒」と呼ばれるほど繁栄し、全国的に評判の湯治場となり、現在の有馬温泉の礎となった。
念仏寺は、この由緒ある有馬温泉の地に位置し、古代から続く温泉文化と信仰の歴史の中で存在している寺院です。
桜井識子さんが感じられた有馬温泉の印象
念仏寺のある有馬温泉について桜井識子さんは下記のように語られています。
驚いたのは、「ここは一流の温泉地である!」というプライドをとちから感じたことです。温泉地として古い歴史があるからか、その矜持がビシバシと迫ってくる、そのような土地なのです。人を癒す、治す、という湯治場の意地でしょうか。すごい土地だな!というのが正直な感想です。
桜井識子さん著書『七福神めぐりのすごいひみつ』より
神戸七福神めぐり—寿老堂(寿老人)

念仏寺では、本堂の阿弥陀如来に加え、寿老堂に寿老人が祀られており、神戸七福神めぐりの中の一ヶ所として信仰を集めています。
寿老堂
- 念仏寺本堂の左側に位置する堂。
- 堂内には寿老人が祀られている。
- 彩色された人物像が中央に安置され、左右にも複数の小像が並ぶ。
寿老人
- 七福神の一柱で、長寿や福徳を授ける神。

念仏寺の見どころ
沙羅樹園
念仏寺北側の「沙羅樹園」には樹齢300年以上の沙羅双樹があり、毎年6月中旬から下旬に白い花を咲かせます。花は一日で散るため「一日花」と呼ばれ、『平家物語』にも登場し仏教の無常を象徴します。苔庭に散る花は静かな音を立て、儚さと心の澄み渡りを感じさせます。
6月に開催される「沙羅の花と一絃琴の鑑賞会」以外の日には、拝観料500円で沙羅樹園が拝観できます。(ほうじ茶、お菓子付)
茶房citta(チッタ)

念仏寺本殿内のカフェ。樹齢300年の沙羅双樹を眺めながらくつろげます。前住職の奥様手作り、水を使わず野菜と果物の水分で白ワインと共に約6時間煮込んだ特製ドライカレー(1日限定10食・単品1,000円/セット1,500円)や、コーヒー・紅茶・抹茶などを拝観料込みで楽しめます。
| 所在地 | 〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町1641 念仏寺 |
|---|---|
| 交通アクセス | 念仏寺内 |
| 営業時間 | 9:00~17:00(LO15:30) |
| 問い合わせ先 | 078-904-0414 |
| 公式ホームページ | https://arima-nenbutsuji.jp/works/001 |
念仏寺へのアクセス拝観料について
| 所在地 | 〒651-1401 神戸市北区有馬町1641 |
|---|---|
| 交通アクセス | 【公共交通】 神戸電鉄有馬温泉駅→徒歩10分 【車】無料なし 中国道西宮北ICから15分 |
| 問い合わせ先 | 078-904-0414 |
| 公式ホームページ | http://13butsu.com/temple/009.php |
念仏寺について綴られている桜井識子さんのブログ
KOBE(神戸)七福神めぐり ~兵庫県~
有馬温泉の念仏寺を訪れ、寿老堂で寿老人像を拝観した時の様子が綴られています。有馬温泉そのものにも強く惹かれ、次回は温泉や施設、歴史をじっくり楽しみたいという思いも記されています。
詳しくは桜井識子さんのブログ『KOBE(神戸)七福神めぐり ~兵庫県~』をご覧ください。
念仏寺について語られている桜井識子さんの著書
七福神めぐりのすごいひみつ
第7章の念仏寺(寿老人)の説では桜井識子さんが有馬温泉の念仏寺を訪れ、本尊は拝観できなかったものの、寿老堂で祈りを捧げ、お寺の人の温かい対応に癒されたエピソードが綴られています。
有馬温泉を「歴史と誇りに満ちた癒しの土地」として強く印象づけられつつも、車での移動の不便さや観光できなかった悔しさも感じられる内容です。
詳しくは桜井識子さんの著書『七福神めぐりのすごいひみつ』をご覧ください。







